標石よりも探す過程がメインの三角点探訪ブログ。
2017/01/07(土)
仙台市青葉区国見のJR仙山線国見駅の南東200m付近、弘法山山頂にある仙臺市溝渠測量三角点標石。
※この記事は「Panoramio」上にあるJohn Smith氏撮影の画像、およびのら松氏のWebページ「のら松の旅日記」の記事を参考にしています。
※この記事は浅野勝宣氏からの情報および畠山未津留氏との共著である「宮城の標石第3集」を参考にしています。(2017/1/15追記)
※標石の正体が判明したため、記事タイトルを変更しました。(2017/1/15追記)

三角点などを探しに行く前の下調べでネットを検索していると、当然ではあるが他の方が見つけた三角点の記事や画像などがよく引っかかる。ネタバレになってしまうため出来るだけ見ないようにしているつもりなんだけど、ついつい見てしまうことも結構ある。

ある日、Googleのサービスの一つであるPanoramio(2014年9月で一応終了)に掲載されているJohn Smith氏画像を見て驚いた。それは宮城縣標石に似た石に「仙臺市」と彫られている「仙臺市標石」だった。こんなの今まで見たことも聞いたことも無い。そんな大変インパクトのある標石だったのに、そのうち行こうと思っているうちに忘れてしまっていた。caz3氏よりこんな画像をUPしてる人がいますよと連絡を受けてやっと思い出したくらいだ。
その後Webブラウザにブックマークしておいたおかげで忘れることも無く、今回やっと行くことにしたものの、困ったことにPanoramioのサービス終了の影響で以前表示されていた位置情報が消えてしまっていた。肝心の場所が分からないのである。そこで弘法山ってどこだろうと検索したところ、地理院地図には載っていないけど、地名として弘法山というのが青葉区の国見付近に見つかった(地名は青葉区荒巻弘法山)。ちょうどJR仙山線国見駅のすぐ南辺りらしい。…が、国見駅周辺には似たような標高のピークが3つある。標石があるピークはどれなんだろう?
そう思っていたところ、ある記事に目が留まった。「のら松の旅日記」の弘法山の記事である。もうそのものズバリの記事で、私がいまさら記事にする意味が無いくらいなんだけど、これから行く以上はやはり書くべきなんだろうな。

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JR国見駅の近くまで来た。【現在地
旧R48の八幡町からここへ来るまでは有名な唸坂が狭くて急なため、無難に国見小学校前を経由した。
駅のすぐそばにある踏切の手前を左の方へ進む。

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例の3つあるピークのうちの一つが、この左上にある。【現在地
「のら松の旅日記」の記事を見ると、この上か、すぐ南にある別のピークのどちらかのようだ。雰囲気からして南側のような気がするなぁ。

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踏切の手前から150mほど進むと、道は突き当たって右へ折れる。【現在地
地形図を見ると、ここから左の方に山へ入っていく道がある。のら松氏もここから入ったようだ。

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よく見ると、このゴミ集積場の後ろに道のようなものがあった。刈り払われてはいないため、道と言うよりは踏み跡といった感じだ。【現在地
車はこの角の所に駐めておく。

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結構酷い藪だなぁ。点線道になってはいるけど、通る人なんていないんだろうな。【現在地
ここを左上へ登れば北側のピークのはずだけど、標石はたぶん南側ピークだと思うのでもう少し先へ進む。

koubouyama_s6.jpg
ここら辺から登ろうかな。どうせ刈り払われてないだろうから、どこから登っても同じだし。【現在地

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斜面には来る途中の笹とは違い、葉が大きい笹が生えている。高さがせいぜい腹くらいまでしかないので見通しは効くが、やはり登りづらい。【現在地

koubouyama_s8.jpg
南側ピークの上に来たのは良いけど、周りは一面笹だらけ。標石はどこにあるんだ?【現在地

koubouyama_s9.jpg
地形をよく見て、少しでも高い方へ進んでみると…おおっ!それらしき物が!!【現在地

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いつものように周りを刈り払いました(笑)

koubouyama_s.jpg
これが仙臺市標石!!
でも用途が良く分からないな。形状と設置位置からして宮城縣標石と同じ測量標だと思うんだけど。だとしたら街中でよく見かける仙台市公共基準点のご先祖って感じかな?

koubouyama_s11.jpg
「仙臺市」

koubouyama_s12.jpg
「明治廿五年設立」
設立と書いてあるのは初めて見た気がします。

koubouyama_s13.jpg
「仙第七号」
ということは、少なくとも他に6つあるということになりますね。

koubouyama_s14.jpg
この面は何も彫られていないようです。


上面は四角錐で穴は開いていません。
「仙臺市」の面は南東を向いています。(画像上にマウスカーソルを持って行くと切り替わります)

標石の大きさは 15.5x15.5x33cm でした。昨年末に岩沼で見た縣標石とほぼ同じ大きさですね。年代と標石の向きも同じです。当時は県だけでなく市でも独自に測量を行っていたのでしょうか?

浅野勝宣氏より、この標石は愛宕神社境内にある標石位置と同じものではないかと連絡をいただきました。

愛宕神社の標石とは、仙台市太白区向山の愛宕神社境内にある「経緯度測点」の他にもう一つあった標石のことで、このブログでも以前「仙台経緯度測点方位標」のタイトルで記事にしました。ところが浅野氏によると、この標石は『明治24年から開始された仙台市内溝渠測量に使用したもの』で、『その成果は「僊臺市測量全圖(仙台市測量全図)」として明治26年に刊行されており、図中には「三角点及石標」が「◎」で示されていて、愛宕神社境内にも丸印がある』とのこと。
つまり、明治時代に仙台市が用排水路を整備する際、設置した三角点標石だということです。同様のことが、「宮城の標石」第3集(浅野勝宣・畠山未津留共著)7ページにも書かれています。

愛宕神社の標石について、「宮城の標石」第3集には

標石の南面に「仙臺」、東面に「明治廿五」、北面には「仙第」と刻まれていることが判明した。さらに下には「仙臺(市)」「明治廿五(年)」「仙第(○号)」と刻まれているものと推定する。(7ページより引用)

と書かれており、今回の弘法山のと一致しています。あと上面が四角錐である見た目の特徴も一致しており、弘法山の標石は愛宕神社の物と同じ溝渠測量の際に設置された標石である可能性が非常に高いといえます。

浅野氏は『この弘法山付近についても手持ちの複製図が鮮明でないためはっきり断定はできないものの、やはり赤い丸印があるように見える』とコメントしています。この標石の位置が「僊臺市測量全圖」にも書かれていたのであれば、弘法山のは溝渠測量の標石でほぼ間違いないということになりますね。(2017/1/15追記)

koubouyama_s16.jpg
標石から1m50cmの所に「南無妙法蓮華経」と彫られた碑がありました。
John Smith氏の画像タイトルの通り、これは題目碑というものらしく一種の供養碑で寺院や刑場の跡に設置されることが多いらしいです。後者だったらやだな。
弘法山の山名は弘法大師(空海)から取った名前なんですかね。だとしたら寺の跡なのかな。でも弘法大師(真言宗)って「南無大師遍照金剛」ですよね??

※山の中腹に「弘法大師御腰掛石」と「弘法大師堂」があるようです。→リンク (2017/1/10追記)
[弘法山仙臺市溝渠測量標]の続きを読む
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