標石よりも探す過程がメインの三角点探訪ブログ。
2015/05/03(日)
茨城県つくば市の筑波山(女体山)山頂にある一等三角点。
※この記事は上西勝也氏のWebページ「日本の測量史」を参考にしています。

総本山の国土地理院(本院)を見学後、つくば市内の激安ビジネスホテル(素泊まり)で一泊した私は、せっかくなので近くの筑波山へも行ってみることにした。

一等三角点“筑波山”の点の記を見ると選点日は明治11年1月、選点者は内務省地理局と書いてある。そのため冠字選点番号は付けられていない。現行型の三角点標石を設置した陸地測量部が出来たのが明治21年なので、その10年前の選点ということになり、一等三角点の選点日としてはかなり古い。当初は内務省の三角点標石が設置されていたのかと思いきや

初期の点の記で標石の欄には「山頂固有ノ大石(黒花崗岩)ニ定規ノ十字形ヲ彫刻セシモノナリ 明治十一年度内務省地理局ニテ設置ノ場所」とあります。 (中略) 1899年(明治32)には現行の三角点標石が設置されており岩盤にあった十字刻印のところを掘削して埋設されたと思われます。 (上西勝也氏「日本の測量史」茨城県の三角点より)

…ということのようで、つまり元々は今の三角点がある所に標石は無く、当時の内務省地理局が岩に直接十字マークを彫っていたようです。そして明治32年6月つまり点の記の設置の欄に書かれている日に、今の標石を設置。その設置方法というのが内務省の十字マークの所の岩を掘って標石を無理矢理埋め込んでしまうという超荒技(その代わり、通常長さが82cmある標石を約半分の39cmに短縮して埋めているようです)。現代なら金属標を埋めるか近くに移転するかしそうですが、陸地測量部の担当者があの位置に拘ったんだろうなぁ。
以上で予習終わり。上西氏のページによれば、すぐ近くにとても珍しい「おまけ」もあるようなので楽しみだ。

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R408を北へ向かい、茨城県道14を経由して筑波山へ向かう茨城県道42に入る【現在地】。筑波山はもう目の前だ。手前が男体山で、右奥が目的地の女体山になる。山頂付近に雲がかかってるけど大丈夫かな?

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女体山へ行けるロープウェイのつつじヶ丘駅に到着【現在地】。ん?何か聞き覚えのある駅名だな。
今日はGW真っ只中なので、通常であればまだ始発前の時間なのに駐車場はほぼ満車の状態。早めに宿を出てきて良かった。

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ロープウェイは快適だな~。【現在地

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5分ほどで女体山駅に到着。【現在地

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早速山頂へ向かう。【現在地

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筑波山神社の女体山本殿下(画像に写っている建物は守札授与所)に到着。【現在地

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左端に少しだけ写っているのが本殿。三角点は本殿の南角より8.7mの位置にあるというが…。

tsukubasan8.jpg
あったー!…けど、人多すぎ!!

tsukubasan.jpg
標石です。ICタグ付き。標示杭は見当たりませんでした。普段見る標石と違い、角が丸くなっているような気がします。
確かに標石が岩に埋まっています。何気ないんですが、よく考えると凄いことです。機械工具など無かった時代に人の手だけで岩に穴を開け、標石を埋め込んだ当時の人の努力と根性は想像を絶するものがありますね。
このような山頂などの岩に穴を開けて標石を無理矢理埋め込んでいる点は他にも何ヶ所かあるようです。一例として岩手県大船渡市の五葉山の尾根上の黒岩のところにある三等三角点“葡萄形”位置も岩に標石が埋め込まれており、古い点の記には岩に開けた穴の底に十字マークを彫り盤石の代わりにしてあるようなことが書かれています(舘沢省吾氏からの情報)。もしかすると、この“筑波山”の岩の穴の底にも同様に十字マークが彫られているかもしれません。
ちなみにこの画像ですけど、周辺に大勢の人がいるにも関わらず標石の前に陣取って撮らせていただきました。周りの人達ごめんなさいね。

tsukubasan9.jpg
前述の「おまけ」発見。三角点の南、数メートルの岩の上になんと十字マークが彫られている!

tsukubasan10.jpg
十字マークのアップ。“筑波山”の三角点標石が設置される前までは、ちょうどこんな感じだったのでしょう。
さて、これの正体ですが上西氏のページによれば

現在の一等三角点標石の南5メートルにある断崖上の自然石に×印が刻られています。一辺9センチメートル四方が平らに近く削られ一辺8センチメートルの×印ですが、これは初期の点の記に記載されている内務省のものではなく旧山林局の界標のようです。 (上西勝也氏「日本の測量史」茨城県の三角点より)

とのことです。上の引用文中の「(中略)」の部分です。
旧山林局とは現在の林野庁のことで、界標とは山中でよく見かける「山」と書かれている主にコンクリート製の標石のこと。これらは現行の標石の上を赤くペイントしてあるのが特長。画像の十字マークを良く見ると、以前赤くペイントされていた名残というか、所々に赤い塗装片が残っています(上西氏のページにある画像を見ると、以前はマークがもっと赤かったことが分かります)。山林局の界標だったとする理由はこの赤ペンキなのでしょう。

MAP

地形図

DATA
基準点コード:TR15440207801
ICタグ場所情報コード(ucode):00001B000000000309F319267B40FFC1
冠字選点番号:無し
緯度:36°13′31″.3961
経度:140°06′24″.1480
標高:875.66 m
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