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標石よりも探す過程がメインの三角点探訪ブログ。
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2017/12/03(日)
岩手県奥州市水沢区の国立天文台水沢VLBI観測所敷地内にある無号(一等)水準点。
※この記事は「5456」の続きです。

まず「無号水準点」とは何か調べてみた。
Googleで検索してみると、東京の「交無号」の事しか出てこない。まるで無号水準点=交無号のように思えてしまう。

そこで標石大好き野郎のバイブル、上西勝也氏の「日本の測量史」を見てみる

無号水準点
初期の水準測量の際など特別の事情があり設置されたものですが現在は一等水準路線を構成します。

特別の事情って何だろう?

閲覧サービスでは等級種別が「無号&験潮場固定点」というふうに験潮場固定点と一纏めにされている。上西氏のページによると

験潮場固定点
験潮場内にある固定点です。国土地理院の験潮場では定期的にこの固定点と海面の高さを測っています。

験潮場附属水準点なら見たことはあるけど、それとは別物か。
国土地理院の「交無号」の解説ページを見てみると「東京湾平均海面と日本水準原点を繋ぐため明治24年3月に「霊岸島新点・交無号」が設置され、数度の移転を経て平成18年から現在の場所に鎮座(要約)」と書かれており、確かに験潮場固定点のような使い方をされていたようだ。
閲覧サービスで「無号&験潮場固定点」の検索をかけると日本全国でたった12カ所しかなく、東北ではこの水沢の1カ所だけのようだ。しかも他の点が海岸近くに設置されているのに対し、水沢のだけかなり内陸に設置されている。これは相当特別な事情があったに違いない。

他の無号水準点の点の記を確認すると、中には「渡海点」として設置されている物もある。「渡海点」を上西氏のページで調べてみると

一等、二等渡海水準点
海峡や河川を隔て水準測量を行う場合に設置する水準点であり一等水準路線を構成します。測量は経緯儀を使用したり相手点にも水準儀を置き同時に観測するなど特殊な方法で精度向上をはかります。一等と二等では測量方法が異なります。

うーん、似てるような気もするけど全然違う物だよな…。結局何なんだこれ。

もう面倒なので「昔は基準になる凄い水準点だったけど、今はただの水準点だよ」ってことでいいや。
基準水準点なら山元町役場にもあるし。何だよ大した事ねーじゃん。

ちなみに「水沢無号」にも「T-5」という正式な基準点名があるようだ。これは一般的な水準点の標識番号に相当するもののようで、基準点コードも「L090000000T-5」となっている。「交無号」が「T-0」、そして東京にもう一つある無号が「T-1」なので、2~4が抜けている。もしかしたら東京と水沢の間に他にも3つ存在していたということなのだろうか?

mizusawamugou1.jpg
先ほどの所から少し北へ進み、R397へ左折。そこから600mほど西へ進んで画像の所を左折する。

mizusawamugou2.jpg
150mくらいの所を右折。

mizusawamugou3.jpg
通称「天文台通り」を西へ300mくらい進めば、その国立天文台の入口がある。

mizusawamugou4.jpg
「国立天文台 水沢VLBI観測所」
普通ならここから先は立ち入り禁止になっていそうな看板だが、自由に入って良いようだ。
VLBIって聞くと、つくばの総本山を思い出すなぁ…。今は無いんだっけ。寂しいなぁ。

mizusawamugou5.jpg
構内を進み、画像の洋館風な建物(奥州宇宙遊学館)の所に車を駐め、矢印の方へ進む。
遠くにVLBIのアンテナが2つ見える。

mizusawamugou6.jpg
ちゃんと見学コースになっているようだ。
看板の後ろにある小さな白い小屋は「目標台」といい、中で豆電球を灯し、約100m南にあった観測室から望遠鏡でその明かりをのぞいて機器を真北に合わせたのだという。ちょうど天測点に対する子午線標みたいなものだ。天体観測ってそういうものだったのかな。

mizusawamugou7.jpg
標示板と標石発見。楽勝。
その後ろにある大きなパラボラアンテナがVLBI観測用の20mアンテナ。つくばにあったものは32mですから、それと比べれば小さいですが、それでもかなり大きいです。

mizusawamugou8.jpg
路面に書かれた「39°8′」の数字。緯度かな?
撮影しているときに突然パラボラアンテナが回転し始めて向きが変わってしまいました。動いているところを動画に撮っておけば良かったな。

mizusawamugou9.jpg
すぐ横にある看板に「北緯39度8分の緯度線」と書かれていたので、試しにハンディGPSで測ってみたら…
あれ?「39°08′02.2″」って表示される。ちょっとズレてるな。このGPSちょっと古いモデルだし、あまり精度が良くないのかな。

mizusawamugou10.jpg

北緯39度8分の緯度線

 1899年から緯度変化の国際共同観測を北緯39度8分で行うことが決まり、水沢(現在の奥州市)を含めて世界6カ所で観測が始められました。
 水沢のこの地に観測所が設けられ、その後眼視天頂儀(光学望遠鏡)を使った観測で、この地点の緯度は北緯39度8分3秒と決められました。この先にある小屋が当時の観測室です。
 現在この地点の世界座標系での緯度は39度8分2.2秒です。わずかな差があるのは、鉛直線偏差(地球の重力場に偏りがあること)が原因となっています。
 詳しくは、木村榮記念館の説明をご覧ください。

「現在この地点の世界座標系での緯度は39度8分2.2秒です。」
何だ、合ってるじゃないか!良かったぁ!この緯度線、ハンディGPSの較正に良いかも?

ところでこの説明板を読むと、この場所が緯度観測所時代から測地学の国際的な観測点であったことが分かる。近くに国土地理院の水沢測地観測所があったり、以前行った菱形基線(の端点)が水沢にあったりするのは、やはりこの影響なのかもしれない。
もしかすると「水沢無号」はそういった歴史がある水沢に記念碑的な意味合いで設けられた水準点だったのではないだろうか?(適当なこじつけ)

mizusawamugou.jpg
話が思いっきり脱線してますけど、これが標石。

mizusawamugou11.jpg
「水準点」と彫られている面。
通常、「水準点」の面は道路側に向けられていますが、これは何の方向へ向けているんでしょう?

mizusawamugou12.jpg
裏面は標識番号が入るはずですけど、無号だからなのか何も彫られていません。
「零」とか「無号」って彫ってほしいな。

mizusawamugou13.jpg
上から見た状態。
保護石が綺麗に配置されています。

mizusawamugou14.jpg
標石上面のアップ。
基準水準点や験潮場附属水準点など、重要な水準点と同じ周辺がへこんだタイプです。
閲覧サービスを見ると無号だからといって必ずしもこのタイプではなく、普通の一等水準点と同様な「出べそ」だけのもあるようです。「記念碑」として見た目重視なのでしょうか?
磁北線を考慮すれば、この標石の向きは道路とか関係なく三角点と同様に東西南北に合わせてあるようです。でもなぜ「表」が東向きなのかは良く分かりません。

MAP



DATA
基準点コード:L090000000T-5
ICタグ場所情報コード(ucode):無し
冠字選点番号:無し
緯度:39°08′01″.7152
経度:141°07′57″.3862
標高:62.2797 m
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コメント
この記事へのコメント
水沢の無号、自由に見られるんですね。良かった。これで心置きなく行ける(笑)
いつ行けるかわからないですけど…
2017/12/25(月) 10:57 | URL | caz3 #-[ 編集]
研究施設ということで入りづらそうですが、地元では観光スポットになっているようなので是非行ってみてください。
2017/12/25(月) 23:34 | URL | つかピロ #y8j/9w2E[ 編集]
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