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標石よりも探す過程がメインの三角点探訪ブログ。
2018/10/28(日)
山形県大蔵村の肘折温泉の南7km付近、旧大師峠近くにあるらしい旧二等水準点。
※この記事は舘沢省吾氏からの情報を参考にしています。

前回、宇津峠の二等水準点を見つけられなかった私は、そのうち他にもあるという別の二等水準点を探し出し「リベンジ」してやろうと思い、次に行くのであれば東北地方に少なくとも4ヵ所あるうちの一つ、山形の大師峠かなと考えていた。ちょうどその頃、いつもお世話になっている舘沢氏より数カ所の二等水準点の位置が記された古い地形図の資料を送っていただいた。その中には不鮮明ながらも、これから行こうと思っている大師峠の古地図も載っていた。

daishitouge_s1.jpg
上の地形図の左半分がその古地図(※)で、右半分が同縮尺の現在の地理院地図である。古地図には峠の少し東側に803.1mの水準点が描かれている(大きい画像は→コチラ)。宇津峠がそうだったように水準点は峠にあるものだと思っていたので、知らずに探索へ行っていればまず見つけることは出来なかっただろう。舘沢氏に感謝。
二つの地形図を見比べると気になることがある。峠周辺の地形と山道の線形が現在とかなり異なって見えるのだ。当時の測量技術ではこれが限界だったということなのだろうか。
※いただいた資料の古地図は先述の通り不鮮明なものだったため、上の画像は後に舘沢氏が国土地理院関東測量部より入手した5万分の1地形図「月山」(昭和28年応急修正)の一部を使用しています。(資料と同じ物です)

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当初、すぐ大師峠へ行くつもりはなかった。そのうち、まぁ来春とかでも良いかなと思っていた。ところが良く考えてみると現地は豪雪地帯で有名な肘折温泉の近く。一度積もった雪は夏頃まで融けない。当然すぐ近くを通るR458も調べてみると夏頃から冬季閉鎖になる秋頃までの数ヶ月間しか通行できない。しかも今年は11月5日から通行止めだというではないか。これはもう、すぐにでも行かないと当分行けなくなってしまう。
まず旧大師峠についてネットで調べてみたが、見つかるのはR458上の(新)大師峠ばかりで、旧のほうは全くと言って良いほど資料が無い。どうやって行けば良いのか分からないのだ。
そこでとりあえず地形図を見てみる。まずAのルートだ。一般的には昔からの道であるこのルートで行くのが無難だろう。国道から林道のような道を進み、川を渡った辺りから山道を登るルートだ。ところが良く見ると国道の(新)大師峠から尾根沿いに行くBのルートのほうが実は楽なのではないかと気がついた。BのほうがAより距離も高低差も圧倒的に少ないのである。大抵の山には尾根道があるはず。ここにも大師峠やその先の猫岳を目指して登山愛好家が付けた踏み跡が残っているだろう。
とにかく大師峠まで行ければしめたもの。あとは東側へ少し下るだけで水準点だ。

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早速現地へ向かう。
山形道寒河江ICで降り、R112へ右折する。

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R112を月山方面へ約12km進み、画像の交差点を右折してR458に入る。

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R458を肘折方面へ17.5kmほど進むと市村境(郡境)でもある十部一峠に到着。
舘沢氏から送っていただいた古い地形図によれば、この峠付近にも水準点があったみたいですが、状況から見て恐らく道路工事で亡失したのではないかと思われます。

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十部一峠よりさらに1.8kmほど進んだところ、路面がこの有り様(笑)。※国道です(しかも現道)。
R458は日本で唯一未舗装区間が残る国道(酷道)として有名で、全国から道路マニアがわざわざ訪れるほど。私もこういうのは大好きなので、水準点探しと同じくらいこのR458を通るのが楽しみだったのだ。いやー面白い道だなぁ。

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十部一峠より5kmほどでR458上の(新)大師峠に到着。

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初め、峠の少し手前にある待避所のようなスペース付近より登ろうと思ったが入っていくのが大変そうに見えたため、素直に等高線に従い、画像の辺りより法面を登って尾根へ上がってみる。

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木に掴まりながら何とか法面の上へ上がった。…けど何これ。
踏み跡も獣道っぽいのも見当たらない。仕方ない、無理矢理藪漕ぎして進むしかないかな。

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尾根に道のようなものは無かった。豪雪地帯のためか、木は地面を這うように生えており大変邪魔で前へ進みづらい。
人の手によるものなのか、尾根には所々に松が生えているので目印にすると良いようだ。

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画像の所はまだマシなほうで、酷いところでは木の枝だらけで前を塞がれてしまう。前へ進むのに必死だったせいか尾根上で撮影した画像はこれと一つ上の画像くらいしか無かった。

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何とか(旧)大師峠に到着。画像は西側から見た峠。(東側から見た峠は→コチラ
距離的に国道から小一時間くらいで着くかと思っていたが、実際は2時間もかかってしまった。

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峠の東側で道は右へ折れる。

daishitouge_s15.jpg
すぐ先で道が消えてるような…。

daishitouge_s16.jpg
道が崩れて無くなっている。
少し先に道の続きだったと思われる平場があるので無理矢理進んでみる。

daishitouge_s17.jpg
何だこれ。土砂崩れのせいで、下の方まで一直線に岩肌が露出している。
この先に道っぽい平場は見当たらないし、かといってこの傾斜じゃ怖くて降りられない。下手すりゃ数十メートル滑落する。

daishitouge_s18.jpg
現在の位置を再度確認する。目の前の土砂崩れで露出した岩肌って地形図のこれじゃないのか?こんなのを降りたら遭難しそう。もしかしたら死ぬかもしれない。気のせいかこの等高線の間隔よりも結構急斜面に見える。それに現在の地形図に描かれている山道は古い地形図と違うだけでなく等高線を無視した変な線形になっているし信用できないな。
困ったな…他に降り口はないのだろうか。

daishitouge_s19.jpg
さっきの所まで戻って下を見てみるが、うーん。
仮に降りられたとして、また登ってこられるのか?そもそも標石を見つけられるのか?
一枚目の画像の古い地形図と現在の地形図で地形が異なるのは、もしかしたら土砂崩れ・崖崩れなどによって地形が変わってしまったからではないか?だとすると標石も埋まってしまったのかもしれない。正確な座標すら分かっていないのに危険を冒してまで探すのはやめるべきだ。
戻るのにまた2時間かかることなど総合的に判断し、苦渋の決断ではあるが今回の二等水準点標石探索は断念することにした。残念だ。
次にリベンジするのであれば、素直に画像2枚目のAルートで来るべきだろう。

daishitouge_s20.jpg
帰りにAルートの入口へ行ってみた。
正直、もういいやって思った。 

ここのすぐ近くに四等の“中小屋”があるはずですが、資料を持ってこなかったのと探す気力が残ってなかったのでパスしました。

MAP



DATA
基準点コード:不明
ICタグ場所情報コード(ucode):無し
冠字選点番号:乃43
緯度:38°32′39″.7
経度:140°10′19″.9
標高:792.9 m
※冠字選点番号は以前舘沢氏が国土地理院に問い合わせて判明したものです。
※経緯度は昭和28年発行の地形図からの推定です。
※標高は地理院地図に表示された値です。(水準点の値と微妙に違います)
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